塩素酸( HClO3 )とは、塩素原子( Cl )に酸素原子( O )2つとヒドロキシル基( -OH )が結合した構造をしている化合物で、その水溶液は強酸を示します。これまで、水道水中の塩素酸が人に影響を及ぼすと想定されるのは、基本的に二酸化塩素が水道水の浄水処理に使用された場合とされていました。しかし、消毒に用いられる次亜塩素酸を長期間貯蔵すると、その酸化により塩素酸濃度が上昇することがあり、特に高温下で貯蔵した場合に、より顕著に塩素酸濃度が上昇することが近年明らかになりました。
このため、平成20年4月 厚生労働省の水道水質基準に関する省令と技術的基準を定める省令の一部が改正され、塩素酸の管理が必要になりました。
次亜塩素酸ナトリウムの液温が20℃を超えると、急激に有効塩素が減少すると同時に、塩素酸が増加します。有効塩素濃度が12%から8%程度まで減少し、塩素酸が2%になった次亜塩素酸ナトリウムを、例えば2mg/Lの注入率で注入すると、塩素酸が0、5mg/L注入されてしまいます。従って約35℃にて20日間使用していると水道施設の技術的基準を超えることになります。
※除鉄・除マンガン処理や原水にアンモニア性窒素が多い場合など前塩素処理で次亜塩素酸ナトリウムの注入量が多くなる場合は、さらに大きな影響を与えます。
現状の設備・水質分析状況から、最良の対策案をご提案させていただきますのでご相談ください。